投資

トレーダーがナンピンをしてはいけないわけとは!?

トレーダーはナンピンしてはいけないと言われます。
保有しているポジションをナンピンするのは自殺行為だという言葉を残したトレーダーがいるくらいです。

株式投資でその銘柄に惚れてしまうということがあります。
過去に株価が上がって良い思いをしたので、同じ銘柄を繰り返し購入してしまう。というものです。

はっきり言ってしまえば良い思いは二度となく、良いことが繰り返されることは実はないと断言できます。

ナンピンも同じことなのです。

株価が下がってしまい、平均取得価額を下げたいがためにナンピン買いをすることは何故いけないことなのか?

詳しく解説していきます。

■ナンピン買いとは?

そもそも、ナンピン買いとは『保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しをして平均購入単価を下げること』です。

例えば、600円で1,000株買った銘柄が、500円に下がったときに1,000株買い増しをしたとすると、1株当たりの平均購入単価は550円になり、利益が出る水準が下がります。

これをナンピン買いといいます。

ナンピン買いは株価が上昇トレンドにあって、一時的に下がったときに行うと有利になる可能性の高い投資手法ですが、下落トレンドの途中では損失をさらに大きくすることにもなりかねません。

■落ちてくるナイフはつかむな

これは投資の格言です。

暴落している時に買うのは火に油を注ぐようなものです。
まだ下がるかもしれません。
下がったらまた買えば良いと思いますか?

違う場所に移動してポジションを取るほうが、有利かもしれません。
ロスカットが発生すれば、その瞬間にすべてが水の泡です。
これらのリスクを無視してでも、買ったほうが良いとおもいますか?

○資金管理は感情管理でもあります。

トレードに最も重要なことは、1に資金管理、2に資金管理、3に資金管理です。
投資に成功した人は誰でも同じことを言うはずです。

資金管理が完璧であれば必ず成功できる。とね。

■何故ナンピン買いが良いと言われるのか?

ナンピン買いが良いと言われるのは、安いところで買うことによって、前の買値と合算して平均すれば購入コストが下がり、元の買値に戻れば儲かるという考え方だからです。

ナンピン買いは一見、下がったときの合理的な投資行動に思えます。
しかし、実はそこで下がった時点で投資判断は間違ってきたのです。
予測を外しているのですから。

では何故ナンピン買いをしてしまうのか?

■行動経済学からナンピン買いの心理を説明

 

○損失回避

行動経済学の基礎的な考え方であるプロスペクト理論によれば、人は誰もが損失回避的であるということ。

つまり損をするのが極端に嫌いなのが人間です
したがって、自分の買った株が下がった場合でも、損失は先送りしたいという心理が働きます。

見通しが違ったと思っても、すぐにあきらめて売ることができない為です。
そこで売るのではなく、しばらく様子を見る。

その後、さらに下がると、買値よりかなり安くなったのだから、買い増しすればいいといって、自分を納得させる判断をしてしまいます。

○参照点依存性

もう一つの考え方が参照点依存性といわれるモノです。
人は「絶対値でいいか悪いかの判断するのではなく、元の数値(これを参照点という)からの変化によって、心理的な影響を受ける」といわれています。

本来、売買の判断は、あくまでも現時点での株価が割高か割安かを基準に考えるべきですが、人は自分が買った値段を基準として、売りか買いかを判断をしてしまいます。

つまり株価が下がった場合、自分の買値を参照点としてしまい、かつそれを絶対視してしまうから、下がったら割安になったと勘違いをしてしまいます。

○認知的不協和の解消

心理学には認知的不協和という考え方があります。
自分が希望することと実態が合っていない場合に心の中で生じる不快感のことです。

それを解消しようと思っても事態が変わらない場合、自分の解釈や判断を変えることで心の折り合いをつけるのが認知的不協和の解消です。

株式投資で言えば、本来、上がることを期待して買ったにもかかわらず、それが下がっている状態というのはとても気分が悪いことでしょう。

そして株価が、下がったことによって自分の判断が間違っていたということを認めたくない。

とはいえ、下がっているという事実を自分の力で変えることはできない。
そこで、ここで買えばコストが下がるから安心だと自分を納得させて、ナンピン買いをしてしまうのです。

株式投資やFXトレードにおいて、価格が下ったから損切りして損をすることはトレーダーとしては損をしても正解なのです。

■ナンピン買いの3つの失敗ポイント

価格が下った時の対処方法は3つしかありません。

  1. あきらめて損切りすること
  2. 安く買える好機ととらえてナンピン買いをすること
  3. しばらく様子を見ること

多くの人は前述した損失回避の心理から①の損切りはなかなかやらない。
最も多いのは③の様子見で、その後さらに下がったら②のナンピン買いをするか、そのまま何もせずに塩漬けにしてしまう。

株式投資の大原則は、安い時に買って高い時に売ることではなく、割安な時に買って割高な時に売るのが正しい。

これも名言です。頭と尻尾はくれてやれと言う格言もあります。

※株価というものは常に適正な企業価値を表しているわけではなく、上下にブレるモノです。

したがって、単に株価が下がっただけでは買い増しをする理由にはならないということです。

価格が下ったという事実、その企業の業績が悪化して下落したのであれば、さらにそこから下がるかもしれないのですから。

■ナンピン買いは気休めにすぎない

下がったモノを保有することにこだわらずに、損切りをして別のモノに切り替えた方が、ずっと早く損をリカバリーすることができます。

ある銘柄を買うと決めた場合、その後に順調に上昇していくことを期待している方がほとんどでしょう。

しかし、その後に思惑が外れて下落した場合、買った時の判断が間違っていたわけです。
ですから、速やかに損切りしなければいけません。

例えば、業績が良いと思って買った銘柄が下方修正を発表した場合や、下値サポートラインを割ってきた場合などです。

買った時の根拠が崩れたら、すぐに損切りをして、次のトレードチャンスを待つのが勝ち続けられるトレーダーです。

上がると思った株が下がって買いをいれるというのなら、どこまで下がれば手放すのでしょうか?

■トレンドがあるのならナンピンする意味がない

マーケットの動きにはトレンドがあると仮定します。
ランダムではなく方向性もって動くと考えると株価が上がっているということはその後も株価が上がる可能性が高い。

逆に、株価が下がっているなら、その後も下がっていく可能性が高い。
ナンピン買いは株価が下がっている株を買うことなので、下がる可能性の高い株を買い増すと考えることが出来ます。

ですから、トレンドがあると考えると、確率論的にもナンピン買いは合理的とは言えません。

■最後に

長期的な運用でのナンピン買いは良いのか?
トレードと資産運用は全くの別モノです。

特にFXの場合ナンピン買いは全く意味がないと言えます。
ナンピン買いを繰り返すことでコストをおさえているように思えるかもしれませんが資金のコストは上っていて資金効率がとても悪くなっていくことはトレードする場合は致命的です。

執拗にそこで損をしないように追いかけるよりも損を認めて違うポジションを取りにいきましょう。

そのほうが力になりますし結果的には損失が抑えられるのですからね。